「出家詐欺」を見て。
先ほどNHKのクローズアップ現代にて、「出家詐欺」という特集が放送されました。
多重債務を抱えている人が得度し法名をもらいます。得度(出家)をすると比較的簡単に戸籍上改名できる役所の制度を悪用して、別人に成り済まして金融機関から融資をだまし取るということでした。
これにはお寺側の関わりも必要で、多重債務者、住職、不動産業者、債権者(ヤミ金業者)が共謀していたとのことです。
番組では、休眠している法人や運営が厳しいお寺がそういった詐欺に関わる事例が出てきていると解説していました。
お坊さんも人間、凡夫ですので悪い事に引っかかってしまう種を持っているのは当然です。しかし、こんな事はもちろんあってはならない事です。
ありがたいことに、お坊さんというだけで信頼してもらえる場面というのは多々あるとは思います。
しかし、人はきっかけによって、縁によってどんな事でもしてしまう可能性を持っているのです。
今回のニュースは、その事をまた強く思い知らされました。
解説の人は、宗教法人は「性善説」によって法制度が運営されていた側面が原因の一つになっている、それを見直す事も必要だと指摘していました。具体的には改名手続きが簡単な事でしょうか。
私はそのことにうなずく事しかできませんでした。
本来の宗教とは、教えを宗として(自分の中心に据えて)生きることです。
やはりその基本をしっかりと押さえておかないといけないと思いました。