日々ちょうこく

名古屋のお坊さんのブログです。文章練習も兼ねて、見た事、聞いた事、思った事を書いていきます。 たまに抹香臭い事も書きますよ。

バチってなにかな?

「お仏壇でお供えをしたものは(お花や水、食べ物)はどう処理したらいいのでしょうか」
という質問をよくいただきます。
お話を聞いていくと、大体は「食べきれず悪くなってしまう」「そのまま捨てたりしたらバチが当たらないか」という具合に話が進んでいきます。

何となく捨て辛いという気持ちもわかりますが、「お供えを上げて、手を合わせて、お供えを下げて、後処理をする」という一連の流れ全てがお供えをするということ(お恭敬)ではないでしょうか。そのまま捨てることを避けてしまうのは、大切にしているようで、「バチが当たって欲しくない」という、ある種の自分勝手な気持ちに動かされているだけかもしれません。

また、「バチ(罰)」とは誰が当てるのでしょうか。仏様は私たちにバチのような働きかけをするのでしょうか。
嫌なこと、理解できないこと、理解したくないことに理由をつけてしまっているだけではないでしょうか。
受け入れ辛いことをなんとか避けようと、いろんな言い訳や理由という蓋ばかりしていると、いつかその蓋に押さえつけられて動けなくなってしまうのではないかと思います。