日々ちょうこく

名古屋のお坊さんのブログです。文章練習も兼ねて、見た事、聞いた事、思った事を書いていきます。 たまに抹香臭い事も書きますよ。

「経」を一緒にあげたい

お同行さんのお宅でお月参りをする際、特に指定がなければ「仏説阿弥陀経」を読んでいます。私の場合は少し早く読んでしまうため、阿弥陀経は8〜10分、ご和讃を一首と回向文と御書で10分ほどとなっています。

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さすがに阿弥陀経をそらんじられるお同行は稀ですが、一緒に小声で読む方はチラホラおられます。普段手を抜いているわけではないですが、一緒に読まれるお同行さんのところだと余計に緊張感が出てきます。

毎月お月参りでお邪魔するあるお同行さんのところでお勤めをする前に「おっさまの読んでいるお経さんって、これでいいんですか?」と「般若心経」を出されました。やんわりと「これではなく、仏説阿弥陀経というお経さんですよ」と答えますと、阿弥陀経の経本を出してこられました。

その方は奥さんが亡くなって1年ほどで、先月一周忌を賑やかにお勤めしたところでした。奥さんのことがご縁となって、お経さんに興味が出てきたそうです。

 

仏説阿弥陀経」は、毎月お勤めする際に毎回読ませていただいていますが、案外耳に入っていっていないのかと少し不甲斐なさを感じました。思えば「これからどんなお経さんをあげます」などといった説明を全然しておりませんでしたし、聞かれもしませんでした。これのままでいいのと、気付かさせていただきました。

 

そのお同行さんと共に読めるようにと、少しゆっくり目にお経さんをあげる後ろで小声で読もうとしているのが背中に伝わってきました。

 

このまま練習して、いつか一緒にお勤めできたらと思いました。