日々ちょうこく

名古屋のお坊さんのブログです。文章練習も兼ねて、見た事、聞いた事、思った事を書いていきます。 たまに抹香臭い事も書きますよ。

少欲不知足

お寺の近くには割と昔から続く大きな病院があります。去年、その病院がリハビリテーションのみの病院へと変わりました。

治る病気が増えた一方で、治った後のリハビリ患者の数が激増したという問題を聞いたことがあったため、時代の流れではあるかと思っています。

病院の周りでは、リハビリのために看護士さんとともに散歩をしている方がたくさん見えるようになり、なんとなく人が増えて賑やかになっているなと感じます。

 

ただ、今までその病院にお世話になっていた方々は、少し離れた(といっても1kmも離れていないですが。)総合病院へ行くことになったため、ちょっと不満も出ています。元気な方ならいいのですが、足の悪くなった方ですと結構大変そうです。

門徒さんでも少し離れたところへ通っている方がおられます。仕方がないこととはいえ、ちょっと面倒になったと正直な感想をおっしゃっていました。

もともと病院から遠いところに住んでいる人に比べれば、まだまだ近くて便利ではあるのですが、今まで受けていた恩恵から外れてしまうということに、やっぱり不満は出てしまいます。身勝手なことですが、この身から出てきてしまうものなんですね。

 

「少欲知足」とはお経の中に出てきますが、そのようになりきれない存在もまた私なんだということを、こういう出来事のたびに私の問題として見せられているような気がします。