肩書きという外皮。
お参りには、基本的に近いところは自転車で回っています。
今日はあいにくの雨だったため、自転車だったらいいけど歩くには少し遠いお宅へ車で向かいます。
そういう時は近くのコインパーキングに駐車しているのですが、今日に限って満車となっていました。車を停車してどうしようか考えていると、お伺いする予定のお宅の隣の方がうちの駐車場を使っていいと声をかけてくださいました。
ご門徒さんではないのですが、親切に言っていただけたのでありがたく使わせていただき、なんとか約束の時間に間に合うことができました。
「雨の時は大変ですね」と労ってくださいました。なんとも温かい気持ちになってお参りをすることができました。
法衣を着て袈裟をつけて外を歩いていると、挨拶をされたり注目されたりすることが多々あります。また、今日のように親切にされることもあります。
そんな時は、なんとなく私が偉くなったような錯覚を持ってしまいます。
しかし、先輩僧侶が過去、「ご門徒さんは坊さんに手を合わせるんじゃない、袈裟に手を合わせるんだ」と戒められました。袈裟とは「仏様の教え」を表しています。法衣を着て袈裟をつけている私を通して、仏様に手を合わせているです。
肩書きという外皮を剥いでしまえば、皆ただの人でそこに区別はないというのが仏教の教えです。
ただの人である私を見失わないように気をつけなければと思いました。