日々ちょうこく

名古屋のお坊さんのブログです。文章練習も兼ねて、見た事、聞いた事、思った事を書いていきます。 たまに抹香臭い事も書きますよ。

恵方巻きは美味しいですが。

昨日の節分は、豆まきはせずに食べて、恵方巻きも切ってお皿に並べていただきました。太巻きはもともと好きなのです。

 

地方によって様々な節分のやり方があります。私が幼少のころに短期間住んでいた東濃地方のある村では、「鬼めくり」と呼ばれる風習があったことを覚えています。

 

豆まきはいいのですが、恵方巻きの食べ方はどうも好きになれません。福があると言われる恵方を向いて、逃さないように黙って一本口を離さず食べきるという方法が、どうにも食べ物に失礼な気がしてしまうのです。

私の血となり肉となる、他の生を奪って命をつないがせていただくという大事な行為が食事をするということだと考えています。なんだか私に都合のいい福を呼び込みたいがために、目の前に並んだ食べ物をないがしろにしているような気がします。

すでに私は、いのちという大切なものをいただいているのではないでしょうか。

 

今日お伺いしたご門徒さんと節分の話題になった時「なんだかみんな商売に踊らされているような気がします。」「こんなこと言うと、考えすぎだと変な顔されるから言えません。」とおっしゃっていました。

イベントはイベントで楽しめばいいと思うのですが、ちょっと立ち止まって考えてみる機会を持たなければ危ういのだろうと思います。

 

考えすぎなんでしょうか。