7月の法語カレンダーより。
本当の相(すがた)とはどのようなものなのでしょうか。
「諸行無常」という教えは1度は聞いた事あるかと思います。
この世界にある全ては変化し、いつかは壊れなくなっていきます。諸行無常の教えにあるように、変化するもののことを「有為法(ういほう)」といいます。
この有為法は、縁によって「生まれ」、「存在し」、「変化し」、「消滅」します。
この4つのすがたを「四相(しそう)」といい、それぞれ「生相(しょうそう)」「住相(じゅうそう)」「異相(いそう)」「滅相(めっそう)」と言うそうです。
この法語で、「すがた」という言葉に「相」という漢字をあてたのは、この「四相」のことがあったのではないかと思います。
つまり、仏教の言う本当のすがたとは「生まれて、歩み、変化して、死ぬ」という道筋すべてひっくるめた事なのです。
私たちはどうしても、生きて「死ぬ」と言う事を「知識」としてしか受け取る事ができません。ニュースを見たり、お葬式に出たりしてもなぜか「自分は死なないのではないか」という思いが出てきてしまうものです。なぜならば、「死ぬ」怖いからです。
仏様の教えは四相全部ひっくるめて「あなた」なんだよという事をわからせるため、私のために、「私ひとりのため」に向けられているのです。