癒しをいただく。
ご門徒さんのところにお邪魔すると、ペットも一緒にお出迎えしてくれるお宅も少なくありません。大体は小型犬か猫ですが、何軒かのお宅は大型犬を飼っていたりします。
私は犬が大好きなので、積極的に撫でてしまいますが、飼い主のご門徒さんは衣に抜け毛がつくと恐縮されます。みなさん可愛がられているみたいで、時には一緒に座ってお参りを聞いていることもあります。
ペットセラピーと呼ばれるものもあるほど、私たちに癒しを与えてくれる彼らは、飼っているとまるで自分の子供のように情が芽生えます。
お月参り先で、脳梗塞で倒れられてから回復し、若干認知症も出て来始めたおじいさんがいるお宅があります。そのお宅は、息子とは2世帯住宅で敷地内で別居しているので、基本的にはおばあさんと二人で過ごされています。
その老夫婦は、半年前くらいに息子さんからパグを譲り受け、飼っています。お参りに伺うたびに、毎回やんちゃに部屋の中を走り回っています。そして驚くことに、パグを飼い始めてからお伺いするたびに、目に見えておじいさんが元気になってきています。
そのおじいさんは、お勤めが終わった後は「お浄土からのお迎えはまだですか」と、毎回同じ話をされていました。しかし、ここ何回かはそんなことはなく、以前に比べてコミュニケーションがスムーズに取ることができるようになってきました。
生き物を飼い、育てるということは大変ですが、相応に刺激を受けていい影響が出ているのかと思いました。
おばあさんに、「最近おじいさんシャッキリしてきましたね」とお話をすると、「そのかわり部屋は荒らされています」と嬉しそうに頷かれていました。
生き物を飼う、育てるということは、一見私たちからの一方通行のはたらきに見えますが、飼っている私に向かって飼われている生き物がはたらきかけてくれているということを感じさせていただきました。
そんなところにも、同じ「いのち」というものを生かさせてもらっている、「いのち」が互いに影響し合っているということを垣間見えます。人間様が飼ってやっているのではないのです。
今日はグレートピレネーという超大型犬を思う存分撫でさせていただきました。暑さに弱い彼は、最近気温が下がって元気になって何よりでした。
毎月癒しをいただいて、明日からの頑張りの糧とさせていただいています。