通夜法話にて。
前坊守の通夜が勤まりました。
勤行終了後に、通夜法話がありました。
浄土真宗では、命終わりこの世から去ることを「還浄」といいます。これは「浄土へ還る(かえる)」と言う意味です。
そして、お浄土に生まれた故人は、阿弥陀様のもとで仏様となり、私たちをずっと、見守ってくださいます。
昨今の葬儀の際のご挨拶などで、「ご冥福をお祈りします」や「草葉の陰で見守っています」と言う事があります。
「冥土」とは冥の国ですので、真っ暗な所です。ご冥福とは、その真っ暗な世界で少しでも福がありますようにという意味になります。これはどうかとおもいませんか?
また「草葉の陰」でというのも、行く先も無くさまよっているということになりませんか?
「永眠される」という表現もあります。これもどうかと思います。故人は、眠っているのではなく、仏様になって見守ってくださっているのです。
以上のようなお話をされました。
仏様になられた故人は、私たちの歩みを照らす道しるべとなられるのです。道しるべとは、故人の残してくれた言葉、教えです。故人も、そのまた前の方も、照らされながら人生を歩んでいったはずです。
それを勝手に暗闇の世界に押し込めたり、行く宛も無くさまよわせているのは、他ならぬ自分の勝手な考えでは無いでしょうか。